新しいロープを使用する場合の注意

2021.06.16 Wire Rope

最初から正常運転するよりも、軽荷重・低速運転でロープをなじませてから正常運転に入る方が、ロープの寿命は長くなります。
なお、使用前に実用荷重よりも少し重い荷重を数時間かけてロープの初期伸びを取れば、更に寿命を延ばすことができます。

ロープの使用にあたっては、次の過荷重運転、高速運転、衝撃や振動を避けるように注意してください。

 

①過荷重運転

過荷重運転はロープを加速度的に劣化させます。能率を上げるためには、1回の吊荷重を大きくするよりも、回数を多くする方がロープの実作業量は多くなります。
つり荷重を大きくする場合には、ロープを大径のものにするか、破断荷重の大きいロープを使用します。

 

②高速運転

速度を上げますとロープとシーブとのあたりが変わったり、振動を起こしたりしてロープを傷めます。
速度を上げる必要があるときは、各シーブの回転を軽快にし、できればゴムライニングを施して、ロープの跳ね上りや振動を少なくするようにします。

 

③衝撃及び振動

急に始動したり速度を変えたりしますと、ロープに大きい衝撃がかかるとともに、ロープが振動してシーブやドラムをたたくばかりでなく、時にはロープの通過部周辺にある構造物などに触れることがあります。
このような状態が繰り返されますと、ロープは疲労して遂には破断事故を起こします。
特に、古いロープの場合は衝撃に対して弱くなっていますので、十分注意を要します。ロープの破断事故は衝撃が原因となっていることが最も多いようです。

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