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ワイヤロープ解説

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ワイヤロープの概要 資料協力:東京製綱株式会社

Index
1.特長
2.構成
3.ストランドの数
4.ストランドのより方
5.心綱
6.より方
7.形付け
8.破断荷重
9.めっきの種類
10.塗油
11.ロープ径
12.長さ
13.呼称と記号

1.特長   目 次  次の項目  トップページへ

 ワイヤロープ(以下、ロープと呼称)は素線を数多く組み合わせた複雑な構造を有しており、その選択や使用に当っては、ロープの特長を知ることが大切です。
 ロープの特長としては、一般の鉄鋼二次製品に比べて、
@引張強度が高い。
A耐衝撃性に優れている。
B長尺物が得られる(運搬、輸送が安易)。
C柔軟性に富む(取扱が安易)。
などが挙げられます。
 一方、用途によっては、@弾性係数が低い(伸びが大きい)、A自転性があるなどが欠点となる場合もありますが、@に対してはプレテンション加工、Aに対しては非自転性ロープを採用するなどの対応策がとられます。

2.構成   目 次  次の項目  トップページへ

 ロープの構成は、ストランドの数と形、ストランド中の素線の数と配置、繊維入りか、ロープ心入りかなどによって変化しますが、ここでは、一般的なロープの構成について説明します。
 ロープは、下図に示すように数本〜数10本の素線を単層又は多層により合わせたストランドを、通常は6本を心綱の周りに所定のピッチでより合わせて作られています。


3.ストランドの数   目 次  次の項目  トップページへ

 ロープは、通常3〜9本のストランドがより合わされていますが、特別の場合のほかは構造的にバランスのとれた6ストランドがほとんどです。ただし、エレベータ用のように、特に柔軟性を要求される場合には8ストランド、また非自転性を要求される場合には、ストランドを2層以上とすることもあります。
 同一径のロープでは、一般にストランド数が増加するほどストランド径は細くなり、ロープは柔軟性を増しますが、逆に強度は低くなり、耐磨耗性や耐形くずれ性などが劣ってきます。 

4.ストランドのより方(素線の数と配置)   目 次  次の項目  トップページへ

 ストランドは、通常同一径又は異なる直径の7〜数10本の素線が単層又は多層により合わされています。
 素線を2層以上重ねて配置する方法には、各層の素線を同じより角でよる交差よりと、各層の素線が同一ピッチになるように1工程でよる平行よりとがあります。
 同一径ストランドでは、素線数が増加するほど素線径は細くなり、ストランドは柔軟性を増しますが、逆に耐磨耗性や耐形くずれ性などが劣ってきます。
@交差より(点接触より)
 交差よりは、Gross Lay 又は各素線の接触状態から点接触より(Point Contact Lay)とも呼ばれ、ほぼ同径の素線を各層別により角がほぼ等しくなるようになり合わせたもので、各層により込まれる素線の長さが等しくなり、各層間の素線は点接触状態となります。
 したがって、素線に作用する引張応力は均等になりますが、点接触による曲げ応力などが付加されて、耐疲労性はあまり期待できません。
 なお、このより方には、6×7、6×19、6×24、6×37、6×61などが属しています。
 素線の配置には、1本の心線の周りに素線を6本、12本、18本、24本と等差級数的に6本ずつ各層ごとに増加する方法と、素線3本をより合わせたものを心にして、その周りに9本、15本と6本ずつ各層ごとに増加する方法とがあります。通常は前者の配置が圧倒的に多く、後者は中心の3本よりを繊維心(小心と呼称)に替えた6×24ストランド(a+9+15)に、その片鱗がうかがわれるに過ぎません。
A平行より(線接触より)
 平行よりは、Parallel Lay 又は Equal Lay とも呼ばれ、またストランディングの工程数から、One Operation Lay、更に各素線の接触状態から線接触より(Linear Contact Lay)とも呼ばれています。
 平行よりは、ストランドの下層素線の谷間に上層素線が正しく重なるよう、各素線をすき間なく配置させるために、それぞれ異なる径の素線を同時によったもので、各層素線は同一ピッチになって、線接触状態を呈します。
 したがって、交差よりロープと異なり、各層素線のより角及び素線の長さは等しくありませんが、線接触となっているために耐疲労性が優れています。
 なお、このより方には、6×Fi(25)、6×Fi(29)、6×WS(36)、6×S(19)などが属しています。
(a)基本形
 平行よりの基本形としては、次の3種類があります。
T シール形(Seale)
 各層の素線数は1+n+nのように表され、内外層の素線数が同数で、内層素線の凹みに外層素線が完全に収まっています。
 このシール形ロープは、他の平行よりと比べて外層素線が太いので、特に耐磨耗性に優れており、主としてエレベータ用として使用されています。
U ウォーリントン形(Warrington)
 各層の素線数は1+n+(n+n)のように表され、外層素線には大小2種類あり、外層素線数は内層素線数の2倍で、内外層の組合せによって隙間を少なくしてあります。
 このウォーリントン形ロープは、最近ではあまり使用されていません。
V フィラー形(Filler)
 各層の素線数は1+n+(n)+2nのように表され、外層素線数を内層素線数の2倍とし、内外層の隙間に内層素線と同数の細いフィラー線が充填されています。
 このフィラー形ロープは、柔軟性、耐疲労性、耐磨耗性のバランスが良く、平行よりロープのうちでも最も広範囲に使用されています。
(b)組合せ形
 上述の3基本形のほかに、それらの組合せ形もあり、そのなかでは次の2種類が多く使われています。
T セミシール(Semi−Seale)
 交差よりと平行よりのシール形とを組み合わせたもので、中心の7本よりの周りに2層の同数素線をシール形により合わせてあります。
 このセミシール形ロープは、耐疲労性が比較的良好で、広範囲に使用されています。
U ウォーリントンシール(Warrington Seale)
 ウォーリントン形とシールとを組み合わせたもので、耐疲労性が非常に優れ、また柔軟性に富み更に耐磨耗性にも優れているため、用途は広範囲にわたっています。
Bフラット形
 ロープの外周がフラットになるようにストランドを組立たもので、このロープは表面が平滑なため、ドラムやシーブの溝との接触による面圧が一般ロープよりも小さく、耐磨耗性に優れています。一般的には三角ストランドと蛤形ストランドとが最も多く、平ストランドも一部使用されています。
(a)三角ストランド形
 従来は三角線の周りに外層素線をより合わせていましたが、最近は丸線をより合わせて三角形にした心の周りに素線を1層又は2層より合わせた丸線三角心ストランドが一般的になっています。
(b)蛤形ストランド形
 断面が蛤形をしたもので、このロープは、一般には3又は4ストランドとなっています。また、耐疲労性のほかに非自転性も兼ね備えており、広く使用されているモノロープ、ユニロープはこれに属しています。
(c)平ストランド形(オーバルストランド形)
 素線をだ円形により合わせたストランドを繊維心の周りに2層より合わせたもの(シンキングロープ)や、素線を多層により合わせたものを心にして、その周りに6〜10本のストランドをより合わせたもの(コンセントリックロープ)などがあります。

5.心綱(ロープの心)   目 次  次の項目  トップページへ

 心綱は繊維心と鋼心との2つに大別されます。
@繊維心(Fibre Core 、FCと略称する)
 繊維心は、@ストランドを支えてロープの形を保つと同時に、Aロープグリースを保持して、使用中にロープの内部から潤滑と防錆に必要なグリースを補給するという2つの重要な働きをします。従来は天然繊維が多く用いられていましたが、最近では合成繊維も使用されるようになってきました。天然繊維には、マニラやサイザルなどの硬質繊維とジュートや比較的細径のロープに用いられる綿糸などの軟質繊維との2種類があり、また、合成繊維には、含油性が良くなるように特殊加工が施されたポリプロピレンが用いられます。
 繊維心の特長としては、鋼心に比べて、
 T ロープの柔軟性が大きい。
 U ロープに加わる衝撃や振動を吸収する。
 V ロープグリースを含みやすい(特に、天然繊維の場合)。
 W ロープの質量が小さい。
 などがあります。なお、合成繊維は天然繊維に比べて耐食性に優れています。
A鋼心(Steel Core)
 鋼心としては、ストランド心(IWSC)とロープ心とがあり、ロープ心にはIWRCとCFRCとがあります。
(a)IWSC(Independent Wire Strand Core)は、ストランドを心にしたもので、側ストランドと同構成のものは共心とも呼ばれています。
(b)IWRC(Independent Wire Rope Core)は、独立した一つのロープを心にしています。通常は7×7の構成のものが使用されますが、用途によっては6×7や6×19などが用いられることもあります。
(c)CFRC(Center Fit Wire Rope Core)は、ロープの側ストランドの内側の谷間に心ロープの外層ストランドをはめ込んだ形状をしており、この心ロープは外層ロープと1工程でより合わされます。なお、心ロープには7×7、19+8×7などが使用されます。

 IWSCとCFRCとは特殊用途に僅かに使用されているに過ぎず、IWRCが鋼心入りロープのうちでは柔軟性がよいので、最も多く使用されています。
 鋼心の特長としては、繊維心に比べて次の点が挙げられます。
 T ロープの強度が大きい。
 U 横圧に対する抵抗性があり、ロープがつぶれにくい。
 V ロープの伸びが少なく、ロープ径の減少も少ない。
 W ロープの耐熱性が優れている。

6.より方   目 次  次の項目  トップページへ

@より方向
 ロープやストランドのより方向には、図に示すようにZよりとSよりとがあります。
 特に指定がない場合はロープはZよりで、ストランド製品はSよりで作られます。
Aより方
 ロープのより方には、普通よりとラングよりとがあります。
(a)普通より(Ordinary Lay、Regular Lay)
 ロープのより方向とストランドのより方向とが逆方向によられています。
(b)ラングより(Lang’s Lay)
 ロープのより方向とストランドのより方向とが同一方向によられています。
(c)より方別特性の比較
 より方の違いから、必然的に生ずる両者の特性の相違点は、下の表のとおりです。

ロープのより方別特性の比較
項目 普通より   ラングより
外観  素線はロープ軸にほぼ平行。 素線はロープ軸に対してある角度をなす
利点 キンクしにくく、取扱いが容易。
よりが締り、形くずれしにくい。
表面に現われている素線は長く、耐磨耗性に優れている。
柔軟で耐疲労性も良い。
欠点 耐磨耗性と耐疲労性はラングよりに劣る ロープの自転性(トルク)が大きく、キンクを生じやすい


7.形付け   目 次  次の項目  トップページへ

形付けとは、ロープの各ストランドや素線に予めくせ付けして、ロープの反発力を少なくする方法です。
この方法で作られたロープは、不反発性(Preformed 又は Tru−Lay)ロープと呼ばれて、ロープを切ってもストランドや素線がばらけない性質を有しています。現在製造されているロープは、ほとんどのものが不反発性ロープで、反発性ロープは、6×61のほか特定の用途に使用されるものに限られています。

8.破断荷重(種別)   目 次  次の項目  トップページへ

破断荷重には、指定破断荷重と実際破断荷重とがあり、指定破断荷重は規格値すなわち破断荷重の最低値、実際破断荷重は試験片が破断するときの最大値です。破断荷重は、ロープを構成する素線の公称引張強さによって決まり、種別は下の表のように区分します。

破断荷重(種別)の区分
 規格  種別 摘要
JIS G 3525 E種(1320N/mm2{135kgf/mm2}級) 裸及びめっき
(めっき後冷間加工を行ったものを含む)
G種(1470N/mm2{150kgf/mm2}級) めっき
(めっき後冷間加工を行ったものを含む)
A種(1620N/mm2{165kgf/mm2}級) 裸及びめっき
(めっき後冷間加工を行ったものを含む)
B種(1770N/mm2{180kgf/mm2}級) 裸及びめっき
(めっき後冷間加工を行ったものを含む)
 メーカー 特種(1910N/mm2{195kgf/mm2}級)

9.めっきの種類   目 次  次の項目  トップページへ

ロープは裸ロープが一般的ですが、耐食性が要求される用途には、めっきしたロープが使用されます。
めっきの種類には亜鉛めっき、錫めっき、アルミニウムめっきなどがありますが、一般的には亜鉛めっきが施されます。

10.塗油   目 次  次の項目  トップページへ

 ロープの製造時には、防錆と潤滑のためにロープグリースを塗油します。すなわち心綱には、十分管理された工程で均等にロープグリースを浸潤させ、ストランドには、内部塗油法によって、素線間に十分なロープグリースを塗油しています。塗油の良否は、ロープの寿命に大きく影響を及ぼします。ロープグリースには、ペトロラタム、マイクロワックスのような非晶質、微晶質の特殊なろう類を主成分とする赤ロープグリースと、アスファルトのような特殊瀝青質分を主成分とする黒ロープグリースとがあります。当社では、ロープ専用グリースとして防錆能、潤滑性、安定性及び安全性に優れたグリースを製造しています。ロープ専用の補給用ロープグリースもあります。

11.ロープ径   目 次  次の項目  トップページへ

 ロープ径には、公称径と実際径(実測径)とあり、公称径はいわゆる呼び径で、JIS G 3525(以下JIS)では、原則として標準数(JIS Z 8601)が採用されています。一方、実際径は、下図に示すように、その外接円の直径を測定してmmで表します。
 実際径の許容差は、JISでは公称径10mm未満は+10〜0%、10mm以上は+7〜0%となっています。


12.長さ   目 次  次の項目  トップページへ

 ロープの長さは、一般に200m、500m及び1,000mのものが定尺になっています。

13.呼称と記号   目 次 トップページへ

 ロープは、構成、より方、より方向、裸・めっきの別、ロープグリースの種類、直径、種別又は破断荷重、長さ及び条数(丸数)で表します。一般的には、下のように表現しています。
@構成
 (1)心の種類 ストランド数 × (2)ストランドのより方記号 1ストランド中の素線数 で表示する。

(1)心の種類
 心の種類  記号  備考
 繊維心 通常は表示しない 下記、表示例 @、A参照 
 ストランド心 通常は表示しない 心ストランドが本体ロープのストランド構成と異なる場合は、その構成を表示するが(下記、表示例 B参照)、同構成の場合は、IWSCと表示する代わりに「ストランド数」欄を“本体ロープのストランド数+1”で表してもよい(下記、表示例 C参照)
 ロープ心 IWRC(心ロープの構成)又は CFRC(心ロープの構成) 心ロープが7×7以外の場合は、その構成を併記するが(表示例 D参照)、心ロープが7×7の場合は、()内の心ロープの構成は省略してもよい(表示例 E参照)。
(2)ストランドのより方記号
 より方  交差より  平行より    
 記号   一般  フラット形  シール形  ウォーリントン形  フィラー形  ウォーリントンシール セミシール 
 表示しない  F  S  W  Fi  WS  SeS
(注)1ストランド中の素線数は合計を表示するが、フラット形ロープの三角ストランドロープに限って、
分解して表示する(表示例 F参照)。

表示例 @6×7、6×19、6×24、6×37
    A8×S(19)、6×WS(36)
    BWS(36)+8×S(19)
    CIWSC6×37→37+6×37→7×37
    DIWRC(6×19)8×WS(36)
    EIWRC(7×7)6×Fi(25)→IWRC6×Fi(25)
    F6×F[(3×2+3)12+12]

Aより方など
 より方、より方向、めっきの有無及びロープグリースの種類については、下表のうように略記する。
めっきの有無   より方  普通より    ラングより
 Zより   Sより   Zより   Sより 
グリースの種類 赤  黒  赤  黒  赤  黒  赤  黒 
 裸   O/O  C/O  O/S  C/S  O/L  C/L  O/LS  C/LS
 めっき   G/O  GC/O  G/S  GC/S  G/L  GC/L  G/LS  GC/LS
(注)1. よ   り   方  ラングよりはLで、普通よりはOで表す。
   2. よ  り  方  向  Zよりの場合は表示せず、Sよりの場合のみSで表す。
   3. め っ き の 有 無  裸の場合は表示せず、めっきの場合のみGで表す。
   4.ロープグリースの種類 黒ロープグリースはC、赤ロープグリースはOで表す。
                ただし、めっきロープの場合はOを省略する。
B種別
 E種、G種、A種、B種、特種又は破断荷重kNであらわす。
Cロープ径
 ロープ径はmmで表す。
D長さ
 1条(1丸)の長さはmで表す。
Eロープの表示例
 T 19本線6より、普通Zより、裸、赤ロープグリース、A種、ロープ径20mm、長さ500m、2丸は、
     6×19 O/O 20mm A種 500m×2
 U 37本線6より、普通Zより、めっき、赤ロープグリース、G種、ロープ径16mm、長さ200m、5丸は、
     6×37 G/O 16mm G種 200m×5
 V フィラー形29本線6より、ロープ心入り、ラングSより、めっき、黒ロープグリース、B種、ロープ径30mm、長さ1,500m、1丸は、
     IWRC6×Fi(29) GC/LS 30mm B種 1,500m




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